

色校でてきたー
先週入稿して、本日、待望の校正刷がでてきました。微調整後、明日には印刷屋さんに戻して、10日くらい待てば本になります。この間のドキドキ感たら、たまりません。
ひたすらドキドキしていたい気もしますが、そうもしていられないほど忙しいのは、かえっていいのかも。 仕事もそうだし、息子も金曜から学校で、一週間後には始業式だし。始まれば始まったで保護者会やら何やら…バタバタする。
その息子は、先日までは、
「勝手にぼくのこと書いて!」
と、腹立たしげでしたが、カバーの校正刷(画像)を見たら、なんとなくまんざらでもない雰囲気になるからおもしろい。
どんな気持ちなんだろ。
そういう経験がないからわからないけど。
今は嫌でも、年を重ねておじさんになったころ、喜んでくれたらそれでいいんだけど。子育てのしごとは、きっと、そんなものばかりよ。 #本作り


桜のうた
ただいまも言わず
桜ひと房
差し出すから
おかえりを言うのも
忘れたじゃない
5年前、息子が入学して数日のうた。
ただいま、おかえり、の練習のころでもあった。
町名に桜が入るほど桜の木にあふれた町で、学校から家まで、桜並木を通って帰ってくる。途中に公園もあるから、寄り道スポットもあり。
鳥だか風だかのいたずらで、ごそっとひと房落ちていたらしい桜の花を、私へのお土産で持ち帰ってきてくれた。
帰りが少し遅いなと思っていたところに、こんなことされると、叱りどころをうしなう。
うしなっていいのかもしれない。
ただいま、おかえり、よりも、
寄り道しないで帰る、よりも、
だいじなものあるかもしれない。
そんなことを思った小学生ママデビューのころ。 #五行歌


念願の入稿
何年越しのゆめ、でしょうか。
本日、やっとこすっとこ、印刷所に入稿しました。あとは校正刷り、色校などのチェックを経て、本のかたちになるのを待つだけ。
本づくりは、一人では限界があります。たぶん、どんなに有能なひとでも。どんなにすばらしい才能や技術をもっていても…。そんな気がします。
まあ、私の場合、どちらも生半可なものしかないから…当然ひとりではできないのだけれども。
だからこそ。
今回は、なるだけひとのちからを借りて、手間や時間をかけても、ひとのちからを欲して信じて、作ろうと思いました。
いろいろなひとの才能や努力や、愛や技術を、集結させた作品として、一冊の本は成ります。著者のちからはその何割かにしか過ぎない。(私の場合、かなりその割合は低い)
そんなことを、ひしひしと熱く熱く感じながらの、しあわせな、自著三度目の入稿でした。 #本作り


ハルジョオンはなかった
どんなところを
探検した自転車だろう
車輪にからまって
干からびた
ハルジョオン
幼い頃からハルジョオンと呼んでいた花は、実はハルジオン(春紫苑)だった。とは、今回の歌集で校正が入って初めて知る。ちなみに似た花は、ヒメジョオン(姫女苑)である。まったくまどろこしい。
ずっとハルジョオンだと思って生きてきた私には衝撃だった。まあ、間違えて覚えていただけのことなのだけど。
たかだか jo と ji のちがいなんだけど、私には大きな違いで、たんぽぽはたんぼぼだよと言われたみたいに、かなしい。や、たんぽぽはたんぽぽだけど。
そういえば、幼いころ憶えた草花の名は、ぜんぶ音でおぼえ、ひらがなやカタカナで書いた。つくしも、おおいぬのふぐりも、たんぽぽも、おおばこも、ぺんぺん草も(草は漢字か)…ハルジョオンも、ヒメジョオンも。草花が身近で、よくそれらで遊んでいたころだ。
それらに漢字があると知ったり、ぺんぺん草はナズナだと知るころには、もうそれらとは遊ばなくなっていた。
ないものはない。というわけで、改作。
正しさがすべてでは


装丁のこと
社内にすばらしい装丁家がいますが、ふだんの仕事ではできないやり方で、という思いがこの本づくりの前提にあったので、旧くからの友人である安藤竜也さんにお願いしました。
友人に仕事を頼むのは、いいようなわるいような気もしましたが、依頼すると快く引き受けてくれました。
デザイナーとして独立して本の装丁の仕事などをしていることへの信頼は当然のことながら、彼もまた子育て中の親であることも、大きな要因でした。この本は子育てのなかのことしか書かれていないから。
ちなみに、歌集にでてくる爪のかたちのきれいな子は、彼の娘さん…の、生まれたての時のうたです。
女性の書く女性向けのような本だから、あえて男性の感性も組み込みたいという思いもありました。彼の持つバランス感覚も、信頼できるものだったからだと思います。
お願いするのは、カバー、オビ、表紙の、いわゆる付き物(本の外側)だけのつもりでしたが、打ち合わせをするうちに、中味の装丁まで細部にわたり提案やアドバイス、制作を手伝ってくれました。
それはもう、ミリ単位、級(文字サイズ)単位。そこには必ず


カバー絵のこと
カバー絵を描いていただいたRIEさんは、全日空の特別塗装機「ゆめジェット」の機体デザインを描かれた方。同社の60周年記念イベントの機体デザインコンテストで、見事そのチャンスを手にしたのです。
一昨年、たまたま自宅近くで彼女の個展が行われていることを知り、散歩がてらふらりと出かけていきました。
会場へ入った瞬間、
「ああ。このひとに描いてもらいたい」
と思い、その場でオファー。
こういう直感はだいじにしなければ、とも。
その後、ある程度本の中味ができた時点で、正式に依頼して、本の中味やコンセプトを私からじっくり引き出してくださり、一枚の絵を描いてくださいました。
数回の打ち合わせで感じたのは、笑顔の中にある彼女のエネルギーのつよさ。
画家の、いい絵を描くというしごと以上に、本づくり、ものづくりという意識で、ぶったるんでクヨクヨしている私に力をくれました。
最後の章のいくつかは、RIEさんとの打ち合わせ後に自然に書けた歌です。
本の最終章は、布ならば切りっぱなしの端の始末をするようなもの。いちまいの布のままだった原


本づくりのこと
本づくりのこと。
1999年に「この鳩尾(みぞおち)へ」
2002年に「ほんとう」
とんで2015年にやっとこすっとこ「しかくいボール」 歌集も三冊目になるとぶったるみます。
緊張感というか、ドキドキ感というか、そういうものの欠如もあり、なかなか進みませんでした。
出そうと思えばいつでも出せますよ
という自費出版らしい弛みです。
そもそもこの子育てキロク歌集、出すと決めてからもう7年以上たちます。毎年のように知人友人にむけて年賀状に決意表明しては、断念してきました。もう出す出す詐欺を自称するくらいの。
それでも、ここまで引っ張ったからこその、この一冊になったと思えるものになるから、人生というのは素晴らしい。笑
この本づくり、「よし、進めよう」と決意できたのはあるひとつの出会いがキッカケでした。(追って語ります)
そんなキッカケとか、さまざまな要素が重なり、昨年秋あたりから、ゆうるりと前進し、この春の桜咲く頃、ようやく本となります。 #本作り