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のがしたボール
- minamotojun
- 2015年4月18日
- 読了時間: 1分

春です。あたたかになって、てんとう虫もうちのなかに迷い込んできました。
★
今日の帰りの電車のなかの、若い母子の会話。
4〜5才くらいの男の子が風邪なのか、咳き込んだり鼻をグスグズさせていた。お母さんが、
「帰ったら、鼻に蒸しタオルするといいよー」
「いーいー。鼻かむだけで、だいじょーぶー」
「おかあさんも、よくそうするよ?」
そんな、ありふれた親子の会話。私たち親子もたしか、よくやってたやつ。
ふたりの語調はおっとりしていてとても心地よい。親子のいい関係が垣間見えるような。
何秒かして、その子は、
「ひとがそうするからって、すぐそうしちゃダメなんだよー」
くーー!
かわいい声で諭してきやがる〜。
たまらーん!
この子はかつてまわりのひとから、教わった生き方を身につけて、いま、ここで応用しているんだ!
お母さんは、仕事している人のような雰囲気で、ケータイを操作しはじめながら、
「⚪︎⚪︎ちゃん、それ、なんかよくわからないよぉ」と、やはりゆったり応えていて。
ああ、そうなの。
私もそうして、いくつも逃してきた。母ってそうなの。
私は私の逃したいくつもの瞬間を、いまさらのように手繰り寄せるんだ。見知らぬ親子の会話によって。
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