カバー絵のこと
カバー絵を描いていただいたRIEさんは、全日空の特別塗装機「ゆめジェット」の機体デザインを描かれた方。同社の60周年記念イベントの機体デザインコンテストで、見事そのチャンスを手にしたのです。 一昨年、たまたま自宅近くで彼女の個展が行われていることを知り、散歩がてらふらりと出かけていきました。 会場へ入った瞬間、 「ああ。このひとに描いてもらいたい」 と思い、その場でオファー。 こういう直感はだいじにしなければ、とも。 その後、ある程度本の中味ができた時点で、正式に依頼して、本の中味やコンセプトを私からじっくり引き出してくださり、一枚の絵を描いてくださいました。 数回の打ち合わせで感じたのは、笑顔の中にある彼女のエネルギーのつよさ。 画家の、いい絵を描くというしごと以上に、本づくり、ものづくりという意識で、ぶったるんでクヨクヨしている私に力をくれました。 最後の章のいくつかは、RIEさんとの打ち合わせ後に自然に書けた歌です。 本の最終章は、布ならば切りっぱなしの端の始末をするようなもの。いちまいの布のままだった原稿の端の始末をすることができました。 自然にうたを書かせてしまうこのひとのエネルギーをもらえて、本の顔ともいえるカバー絵をお願いしたこと、ほんとうに良かったと思いました。 あのときの直感、その巡り合わせなどもろもろも。