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装丁のこと


社内にすばらしい装丁家がいますが、ふだんの仕事ではできないやり方で、という思いがこの本づくりの前提にあったので、旧くからの友人である安藤竜也さんにお願いしました。 友人に仕事を頼むのは、いいようなわるいような気もしましたが、依頼すると快く引き受けてくれました。 デザイナーとして独立して本の装丁の仕事などをしていることへの信頼は当然のことながら、彼もまた子育て中の親であることも、大きな要因でした。この本は子育てのなかのことしか書かれていないから。 ちなみに、歌集にでてくる爪のかたちのきれいな子は、彼の娘さん…の、生まれたての時のうたです。 女性の書く女性向けのような本だから、あえて男性の感性も組み込みたいという思いもありました。彼の持つバランス感覚も、信頼できるものだったからだと思います。 お願いするのは、カバー、オビ、表紙の、いわゆる付き物(本の外側)だけのつもりでしたが、打ち合わせをするうちに、中味の装丁まで細部にわたり提案やアドバイス、制作を手伝ってくれました。 それはもう、ミリ単位、級(文字サイズ)単位。そこには必ず意味があって、辻褄が合うとそのページはすっきりします。このやりとりで、かなり学べることがありました。 妥協のないこだわりは、たぶん、作品に対する愛。というのは、デザインに限ったことではなくて。歌づくりもそう。そのほかもきっとそう。 斬新な何かというより、負荷なく自然に読める本づくりをしたい。これからも、より、その信念はだいじにしたい、と、一編集人として改めて思うのでした。

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